ECサイトのコンバージョン率の改善方法を解説!ユーザーの導線をスムーズにして平均CVR向上しよう
ECサイトを運営する担当者にとって、コンバージョン率(CVR)を改善することは、ページ閲覧数(PV)と並び、売上に直結する非常に重要な課題の1つです。
本記事では、ECサイトにおけるコンバージョン率の基本から改善方法、参考になるECサイトまでご紹介します。
ECサイトのコンバージョン率の意義
コンバージョン率とは
コンバージョン率とは、WEBサイトに訪れたユーザーや広告をクリックしたユーザーのうち、どの程度がコンバージョン(商品購入)に至ったのかを表す数値を指します。
コンバージョン率は、売上に直結する項目と言われており、ページごとや流入経路ごとなどさまざまな条件で算出し、分析することが重要です。
コンバージョン率の重要性
コンバージョン率はアクセス数と並び、売り上げ向上の際に重要となる指標の一つです。ECサイトの運営やマーケティングに関わる人であれば、コンバージョン率を今よりもさらに向上させたいと思っていることでしょう。
いくらアクセス数や広告のクリック数が増加しても、コンバージョン率が上がらなければ売り上げにはつながりません。
「売れた数」ではなく、「サイト訪問者数の何割が購入したか」を考えるのがポイントで、コンバージョン率が高いページを作成できれば、あとはそのサイトへの訪問者数を増やすことで売上を伸ばすことができます。
ECサイトのコンバージョン率の基本
ECサイトのコンバージョン率は実際にはどのくらいなのでしょうか。ECサイトのコンバージョン率について、法務や金融などを含めた全体平均と商品別平均の2つの側面から解説します。
ECサイトの全体平均コンバージョン率
WordStream社の調査結果によると、ECサイトの平均CVRは1.84%です。全業界平均CVRが2.35%ですので、ECサイト自体のCVRは全体と比べて低い傾向にあることがわかります。
これは、ECサイトの訪問者は商品を回遊する人も多いため、必然的にセッション数が多くなってしまうことが原因であると思われます。 ECサイトの上位25%の平均CVRは3.71%となっており、ECサイトの上位10%の平均CVRは6.25%です。
※上記は「世界の業界別のコンバージョン率平均について」を参考に記載しています。
ECサイトの商品別平均コンバージョン率
Adobe社の「Digital Index Consumer Electronics Report 2020」の調査結果によると、ECサイトの商品ジャンル別の平均CVRは下記の通りです。
- ギフト:4.9%
- 健康、医薬品:4.9%
- アパレル:4.2%
- その他:3.4%
- スポーツ用品:3.1%
- ジュエリー、化粧品:2.9%
- 大手チェーン:2.3%
- インテリア:2.3%
- 自動車:2.2%
- 日用雑誌、大手用品:1.7%
- 家電:1.4%
ECサイトのコンバージョン率の計算方法
自社のECサイトのコンバージョン率を計算によって導き出せるようにしておきましょう。 コンバージョン率は下記のようにして算出します。
コンバージョン率(%)= コンバージョン数 / アクセス数 or クリック数 * 100
一日に10,000PVを集めるECサイトの商品ページから、100個商品が売れた場合は、「100÷10,000×100=1」となり、CVRとは1%となります。
ECサイトのコンバージョン率が低い原因
自社のECサイトのコンバージョン率が低い場合は、なぜ低いのか原因を探さなければなりません。下記では、コンバージョン率が低い原因として考えられる事項を4つ紹介します。
ユーザビリティが低い
ECサイトの設計の段階で生じやすいミスは、ユーザビリティを低下させてしまうことです。ユーザビリティを高めるためには、ユーザーの視点に立って設計を行う必要があります。
ユーザーにとって使い勝手の悪いサイトでは離脱されやすくなると言われています。ユーザーが悩むことなく欲しい商品を購入できるような導線作りを行いましょう。
広告のターゲットがズレている
ECサイトにおいて、広告を打ち出す際のターゲティングは非常に重要です。ターゲットにズレがあると、全く購入意欲のない人に向けて広告を発信することになります。
市場は常に変化しています。ニーズのある層に広告を打ち出せるよう、広告のターゲット層と実際に訪問しているユーザー層にズレがないか確認しましょう。
市場環境が変化している
自社の商品が購入されない原因として、市場のニーズとマッチしていないことが挙げられます。 たとえば、夏にマフラーを販売しても、季節とずれているため、ほとんど売れることはないでしょう。
流行や季節によって売れ行きが変わる商品であるのかを確認しましょう。自社が訴求したい商品が、時期によって変化しやすい商品であるならば、最適な時期に大きく広告を打ち出しましょう。
また、最適な時期とずれている場合はその商品をコンバージョン率の評価対象から除外しましょう。
離脱しやすいサイト構造になっている
ECサイトで買い物をするには、複数のページを移動することが多くあります。例えば企業のトップページなどからECサイトに入ってきて、複数の商品ページを回遊し、買い物カゴを経由して、場合によっては会員登録を行い、購入手続きをするという、長い工程を経ることで初めて商品が購入されます。
この途中で操作方法がわからなくなると、ユーザーは離脱してしまいやすくなります。商品購入までの導線をわかりやすく設計しましょう。
ECサイトのコンバージョン率を改善する12の方法
コンバージョン率が低くなる原因を確認したあとは、コンバージョン率を改善していきましょう。下記では、ECサイトのコンバージョン率を改善する具体的な12の方法を解説します。
1.ターゲットやペルソナを見直す
インターネットやスマホが普及し、情報過多な時代に生きる現代人に対しては、あいまいなターゲティングでは深く魅力や特徴を訴求することが難しいと言われています。。
ECサイトも狙うべきターゲットやキーワードを絞り込んで、ピンポイントでユーザーを取り込む戦略が必要でしょう。
2.TOPページを改善する
サイトのTOPページは、百貨店のコンシェルジュのような役割と言われています。TOPページでユーザーにストレスを与えてしまうと、商品を検索されることなく離脱されてしまう可能性が高くなります。そのため、特にTOPページは、見やすくわかりやすいページを意識しましょう。
ユーザーは改めて商品を探す際に、TOPページに戻ることがあります。そのため、TOPページからの検索導線はことさら重要です。TOPページから検索窓などで検索し、商品を購入するまでの導線をスムーズにしましょう。
3.導線設計を見直す
多くのユーザーにとってECサイトを訪問する目的は、商品を購入することでしょう。しかし、ユーザーが商品の検索から購入までのプロセスをスムーズに行えない場合、ユーザーは商品を購入せずにサイトを離脱してしまうこともあります。
ユーザーがどんなページや広告からECサイトに訪れても、商品ページへ速やかに辿り着くようにわかりやすい導線設計を行いましょう。何ページにもわたって遷移しなければならないとなると、ユーザーはストレスを感じてECサイトを離脱してしまう可能性があります。
また、ユーザーがサイト内で迷子になってしまった時にすぐに戻れるよう、固定のナビゲーションを設置しておくことも大切です。
4.スマホ対応を行う
総務省の調査では、スマートフォンは世帯当たりの普及率が最も高い情報通信機器となっていることから、経済産業省の調査レポートでも現代は「スマートフォンを第一に想定したコンテンツやサービス作りが重要な時代」とされています。 (出展:総務省「令和2年通信利用動向調査」、経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書」)
特にBtoCの商材では、スマホからECサイトを訪問したユーザーが見やすいようなサイト設計を行いましょう。 目線移動はPCでは「Z型」なのに対して、スマホは「I型」です。スマホユーザーが使いやすいサイト設計を行いましょう。
5.商品の魅力を伝える
ECサイトと実店舗が大きく異なる点に、ユーザーが直接商品を手にとって確認できないことがあります。そのため、ECサイトでは魅力的な商品写真や商品紹介文が必要になります。商品の使用イメージを伝えるために、動画で流れを伝えることも良いでしょう。
コンバージョン率は、いかに商品の魅力を文章・画像・動画などを用いてユーザーに伝えることができるかで大きく異なると言われています。魅力を伝えることはコンバージョン率を向上するために最も力を入れるべき箇所であると言っても過言ではありません。
複数の商品写真や商品紹介文を用意して、掲載前に第三者に協力してもらい、どれが最も魅力的な紹介ページとなっているか判断してもらうのも良いでしょう。特に自社商品を売り込む際は、客観的な視点を忘れやすいので、フラットな視点で判断できる人の意見を大切にしましょう。
6.レビューを投稿してもらう
商品レビューは、商品を購入するか検討しているユーザーにとって非常に参考になる指標の一つです。ユーザーは購入で失敗したくないという心理を持っているため、商品購入時の判断材料として商品レビューの確認を行う傾向があると言われています。
商品レビューを掲載しているサイトと掲載していないサイトでは、掲載しているサイトの方がコンバージョン率が高くなる傾向があります。
高評価のレビューが多ければ、レビューに後押しされてユーザーは購入を決断できるかもしれません。ただし、反対に低評価のレビューが多ければ、ユーザーに不安や不信感を与えてしまうことでしょう。
7.EFO対策を行う
EFOとは、「Entry Form Optimization」の略で、入力フォームの最適化のことを指します。会員登録や商品購入時など、入力項目が多いとユーザーにとって手間がかかります。商品の購入意欲よりも、入力フォームへの入力の面倒さが上回った場合、ユーザーは商品の購入をやめてサイトを離脱してしまうことでしょう。必要最小限の項目に絞り込むことが大切です。
たとえば、有料のWordPressテーマ「THE THOR」(2023年3月時点)を購入する際の入力項目は、メールアドレスとクレジットカード情報のみです。住所や電話番号はもちろん、氏名すら必要ありません。このように必要最小限の入力項目にすることで、ユーザーにスムーズな購入体験をもたらすことができます。
8.配送は素早くする
購入した商品は早く手元に欲しいと思っているユーザーも多くいます。素早い配送で対応することで、ユーザーの満足度向上につながり、購入されやすくなります。 緊急の場合には、明日配送や即日配送の対応があるECサイトをユーザーは選択することもあります。素早い配送に対応できれば、ユーザー体験の向上に繋がります。
9.サポート体制を整備する
ユーザーとの信頼関係を大きく左右するのは、問い合わせへの対応といわれています。クレーム対応や返品対応などの企業側にとってリスクやデメリットの大きいテーマにおいても、丁寧な対応をしてもらえるかによって顧客満足度は大きく変わることでしょう。 丁寧な対応を行うことで、ユーザーからのロイヤリティが高まることもあるため、利益に直接的に結びつかない業務であっても、常にユーザー視点で対応しましょう。
10.チャットでコミュニケーションを取る
ECサイトに訪れたユーザーが何か分からないことに遭遇したとき、チャットツールを設置しておくことで、ユーザーは自分の知りたい情報を問い合わせて回答を得ることができます。
チャットでは、即時対応することが重要で、チャットの返答に時間がかかってしまうと、その間にユーザーは離脱してしまいます。ただし、担当者が常に待ち構えていることが難しい場合もあります。その場合は、AIチャットなどで返答をある程度自動化するなどの方法もあります。
11.決済方法を増やす
ユーザーにとって馴染みのある決済サービスを導入すれば、購入までのハードルが低くなり、購入してもらいやすくなります。
ECサイトでよくわれる決済サービスは下記の6種類です。
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
- キャリア決済
- 代金引換
- 後払い決済
- 銀行振込
中でもクレジットカード決済は、ECサイトで最も利用されている決済サービスです。ユーザーにとって馴染みのある決済手段を導入し、決済が原因による離脱を防ぎましょう。
12.クーポンを発行する
訪問履歴のあるユーザーや一定の滞在時間を経過したユーザー、ECサイト内を回遊しているユーザーに対し、ポップアップでクーポンを表示させる方法もあります。
ただし、クーポンはコンバージョン率向上に貢献できますが、利益を減らし、ユーザーがクーポンなしでは購入しなくなる恐れもあります。発行前に利益率を計算し、クーポンの総数をあらかじめ決めておくことが大切です。
コンバージョン率を上げるために参考となるECサイト
Amazon
Amazonは世界的なECモールです。Amazonの商品ページには数多くのレビューが並んでいます。ユーザーはリアルなレビューを見て商品の詳細をチェックできます。 Amazonプライム会員に登録すると、配送料・お急ぎ便が無料になります。(2023年3月時点) Amazonの最大の参考にすべき点はセールです。年間を通してさまざまなセールを行なっており、ユーザーを頻繁にサイトにチェックさせることに成功しています。 毎日開催されているタイムセールでは、人気の商品が日替わりで登場し、新生活応援セールでは、新生活に便利なものがお得に購入できます。
ユニクロ
ユニクロは日本トップのECモールです。商品画像だけではなく動きのあるモデル動画を用いることで、ユーザーに着用イメージを伝えています。 カテゴリがわかりやすく整理されており、ユーザーが欲しい商品まですぐに辿り着けるようなサイト設計となっています。 4,990円以上のお買い上げで送料無料になります。4,990円未満でもユニクロ店舗受け取りにすると1点からでも送料無料です。(2023年3月時点) また、カラーの種類やサイズが豊富で、ユーザーにとって最適な商品選択ができるよう配慮されている点も特徴です。
Apple
AppleのECサイトは、Apple独自の世界観を感じさせるグラフィックによりブランディングを高めています。
Appleの商品説明文は非常にシンプルです。効果や効能を数値で表し、ユーザーにインパクトを与えています。商品の種類が少ないこともあり、何を販売しているのかが非常に明確です。
シンプルな文章、魅力的な画像、迫力のある動画を巧みに使用してユーザーを惹きつけることに成功しています。
ECサイトのコンバージョン率の改善方法まとめ
本記事では、ECサイトにおけるコンバージョン率の基本から改善方法、参考になるECサイトまでご紹介しました。 コンバージョン率を上げる方法の一つに、ストレスフリーな検索体験が挙げられます。
弊社でEC利用者1200人にアンケート調査を実施したところ、検索窓にサジェストが出てくるECサイトについて半数以上が「使いやすく・便利だと思う」と回答しています。
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